家族や職場、友人知人にうつ病を患う人がいると、その対応にはかなり気を使います。医療機関によってうつ病と診断されているとは言うものの、その気分は誰でも同じ、日替わりです。うつ病ではない人とは、長い付き合いのうちに気心も知れ、性格も理解している面があるため、ご機嫌の良し悪しが合ってもそれは当然であり、慎重すぎる気の使い方はあまりしないものです。しかし、うつ病の患者さんは鬱の状態と躁の状態を不定期に繰り返すことがあり、時として別人の様に振舞う事から、接する側も面食らう事があります。一般的にうつ病とされる症状には気分障害というものがあります。人間が基本的に有している喜びや悲しみの感情を持つことが難しくなっている状態のことを指します。この症状は一時的なことが多く、それゆえ多くの人に発生する症状であるといえます。しかし、この症状がひどくなると回復が難しくなってしまうのです。また、意欲や思考能力が通常の人と比べて著しく低下してしまう症状もあります。周囲の方はこうした症状を察知することが大切ですが、ここに躁の状態が混ざってしまうとより接し方に気配りする必要が出てくるでしょう。躁の状態はうつの状態と真逆の様相を呈することが多く見られます。例えば、うつの状態にあるときは沈みがちで自信がなさそうな表情をしていたり、無表情のままほとんど変わらなかったりする症状が現れることが多いですが、躁の状態であれば急に気分よく仕事をしたり作業をしたりすることがあります。ともすれば躁の症状だと判別できないこともあるのです。そんな時は、話が噛み合わずに苦慮する事も出てくるかも知れません。うつ病と躁の状態を繰り返す人に対しては、その人の行動に注目する必要が出てくるでしょう。特に車の運転などは被害者が発生する大きな事故に繋がる恐れがあるため、そうした症状が見受けられる人には運転を控えてもらうなどの対処をした方が良いケースもあるでしょう。一方、うつ病の症状に良く似た別の病気というものも存在します。例えば、パニック障害や不安障害といったものがそれにあたります。